岡本整形外科 院長診療ブログ

当院での手術症例、手術実績、医院近況等をご紹介します。

獅子目整形外科病院より手術見学

当院ではH30年4月より、人工股関節置換術の前方進入法(ALS)を導入しています。

人工股関節の構造的宿命といえる脱臼リスクを、劇的に減らす進入法です。

先日、宮崎市島之内の獅子目整形外科病院院長 獅子目亨先生が当院のALSの見学にこられました。

獅子目先生は私と年が近く、境遇も似ており(個人病院・医院で手術を行っている宮崎で数少ない整形外科医)

普段から仲良くさせていただいています。

助手として手伝っていただきながら、通常の方法(後方進入法)との違いをディスカッションでき、

有意義で楽しい時間となりました。

獅子目先生もALSを導入されるため、今回の手術見学がお役に立てば幸いです。

 

 

 

前十字靭帯再建術 岡崎先生をお招きして

2018/7/14 東京女子医大整形外科主任教授 岡崎賢先生をお招きして前十字靭帯再建術を行いました。

私も前十字靭帯再建術の執刀は行いますが、スペシャリストを招いて一緒に手術をすることは

とても良い勉強と経験になります。

ピットフォール(コツ)をひとつひとつ確認しながら、技を自分のものにしていきます。

H30年前半期手術件数まとめ

H30年1月~6月の手術件数を確認しました。

 

総手術件数199例(人工関節48例)でした。

 

H28年は1年間で197件でしたので、2年前の倍のペースとなっています。

基幹病院や大学病院のような看板のない個人の診療所で手術を受けていただけるのは、

大変光栄なことです。

しかし、有床診療所のベッド数は19床のため、ベッドの空きがないために

手術を待っていただくことがことがあります。

また関節鏡手術は滅菌・消毒の理由で一日1例しかできないため、

お待ちいただくことがあります。

ご了承ください。

 

 

九州中央病院での手術研修

4/25は外来を休み、丸一日、九州中央病院(福岡市)で人工股関節の新しいアプローチ法の実技指導を受けてきました。

その道のスペシャリストである濱田貴広先生より、丁寧にその極意まで教わりました。

手術手技は日進月歩で、今それほど困っていないからと従来の方法に固執していれば、いつの間にか時代遅れになってしまいます。

目の前の手術をこなすだけでなく、これからも機会があればどんどん学びに行きます。

ALSアプローチ 難しいですが優れた方法です。

解説を受けながら、見て、触り、助手も務めます。

 

職場体験(鵬翔高校)

4/4鵬翔高校1年生2名が職場体験にこられました。

午前中に外来、午後に人工関節手術の見学を行いました。

学業優秀で礼儀正しく、将来が本当に楽しみなお二人です。

将来の職業選択の一助になれば幸いです。

岡本整形外科では、意欲ある中学生・高校生の職場体験を積極的に受け入れています。

H30年3月手術まとめ

今月はたくさん手術したなと数えてみたら、3月の手術件数は42件でした。

腱鞘切開は同時に2本、3本している症例もあったり、足首は2本の骨を同時に固定したりしているので、実際はもっとあるのですが、カウントの仕方に一定のルールを設けないと、比較しにくいため1件にしています。

両膝や両手同時手術は2件でカウントしています。

外傷の処置や単純な縫合は、手術にカウントしていません。

 

全身麻酔手術 29件

人工膝関節全置換術(TKA) 2件

人工膝関節単顆置換術 (UKA)1件

人工股関節再置換術 (THArevision)1件

高位脛骨骨切り術(HTO)1件

膝関節鏡視下半月板部分切除 9件

骨接合 6件(大腿骨1、脛骨1、足関節(脛骨・腓骨)1 上腕骨 1 橈骨1 踵骨1)

抜釘 6件(中手骨1、膝蓋骨、橈骨、脛骨2、足関節(脛骨・腓骨)1)

滑膜切除(人工関節後) 1件

関節授動術 1件

腫瘍切除 1件

 

局所麻酔手術 13件

腱鞘切開 9件

手根管開放術 2件

骨部分切除(関節内骨片摘出) 1件

腫瘍切除 1件

 

抜釘(ばってい)とは、骨折手術で用いたプレートやスクリューを、骨癒合後に外す手術です。

骨膜や骨髄内には痛覚があるので、食い込んだスクリューをを取ることは、局所麻酔では難しいです。

 

大病院のような看板がない個人診療所で手術を受けていただけるのは、大変光栄なことです。

50代男性足関節靭帯修復術

足の捻挫は非常に数か多く、多い日は一日で3~4人くることもあります。

痛みや腫れの程度で、湿布のみ、サポーター、ギプス固定+両松葉杖等の選択枝があります。

ほとんどの方が、保存治療で完治します。

しかし保存治療後に高度な不安定性が残存する場合は手術が必要になります。

50代男性保存治療で治癒せず靭帯修復術を行った症例です。

 

左手の鉗子で持っているのが断裂した靭帯です。

靭帯を本来の位置まで引っ張っています。

二つの筋鈎の間に、本来の付着部である骨に縫い付けた靭帯です。

修復した靭帯の真ん中に黒い点のようなものが見えます。

これは下の図のように、本来の靭帯付着部の骨に特殊な糸を打ち込んで、

それを用いて切れた断裂を本来の付着部に縫い付けた部分です。

以前はワイヤーで穴を空けたり、随分と手間をかけて糸を通したりしていましたが、

便利な器具ができると、手術が容易となるだけでなく、患者さんへの侵襲が小さくなります。

この症例の場合は、靭帯が残存していましたが、靭帯が萎縮・消失している場合は、

他の部位から腱を持ってくる靭帯再建術が必要になります。

10代中手骨骨折手術

ブログに手術症例を出すと書いておきながら、1か月以上すぎてしまいました。

実際載せるとなると、少ない写真と短い文章で誤解なく伝える必要があり、慎重になってしまいます。

比較的分かりやすい骨折症例を提示することにします。

次の写真は10代男性、スポーツによる第3中手骨骨折です。

中手骨は掌の部分の骨だと思ってください。

どこが折れているか分かると思います。

ズレがなければギプスで良いのですが、この症例は短縮しています。

放置やギプスでも骨癒合はしますが、変形が残存します。

この部位の変形は、最悪の場合、手を握ったときに中指が他の指に重なってしまいます。

超高齢者や認知症でもない限り手術適応です。

手術の選択は主に3つあります。

①骨折部を完全に展開してプレートとスクリューで固定

②中手骨の根本の部分に1㎝の切開を加えてワイヤーを骨髄内に入れて固定

③切開せずに、レントゲン透視下に整復して皮膚ごしにワイヤーで固定。ワイヤーの根本は皮膚外に出しておく

それぞれに一長一短があり、骨折型、年齢、活動性、麻酔法により選択されます。

今回は②の方法で行いました。傷は小さく、固定性は強固です。

2本の中空の筒を縦に繋いで、中に固くい太い芯を入れるイメージです。

ワイヤーはすべて骨内と皮下に入っているため、抜糸後は手を自由に使えます。

欠点はワイヤーの選択、先端の曲げ方、打ち込む角度と強さ、ワイヤーの曲がりを利用した中からの整復等、

結構テクニックが必要なことです。

テクニックがなければ、髄内に入っていかないワイヤーと格闘し続け、いくら時間をかけても手術が終わりません。

術後2カ月の写真です。十分な骨癒合を得られ、手に衝撃のかかるスポーツ活動も許可しました。

ワイヤー抜去はいつでも良いので、学生さんの場合夏休み等休みが取れるとき、スポーツ選手の場合シーズンOFFで大丈夫です。

 

シンプルな指の骨折なのに、こんなに長い文章を書いてしまいました!!

西都児湯医療センターからの手術見学

3/8西都児湯医療センターの手術部の看護師さん3名が当院に見学にこられました。

西都児湯医療センターでは、近々整形外科が開設されます。

現在は、脳神経外科と呼吸器内科による手術がされていますが、

整形外科手術開始に備えて勉強したいとこられました。

この日は、午前は80代女性の大腿骨の骨折、午後は60代女性の人工関節関連手術でした。

レントゲン透視下での操作、ハンマー、ドリルでの骨孔作成、スクリューでの固定等、

整形外科らしい手術をお見せできたのではないかと思います。

お役に立てれば何よりです。

 

H30年1月手術まとめ

手術実績はHPに出していますが、人工関節、関節鏡手術と一言で言ってもいろいろあるので、H30 年1月分の手術34件を細かく分けてみました。

一般の方がみても、「なにこれ?」っと思われると思いますが。

全身麻酔手術 26件

人工膝関節全置換術(TKA) 7件

人工膝関節単顆置換術(UKA) 4件

人工股関節全置換術(THA) 1件

関節鏡下半月板切除  6件

関節鏡下半月板縫合術 2件

骨接合(中手骨×2 上腕骨×2 足関節×1 橈骨×1) 6件

局所麻酔手術 8件

手根管開放術 1件

アキレス腱縫合術 2件

腱鞘切開術 4件

指末節骨骨部分切除 1件