岡本整形外科 院長診療ブログ

当院での手術症例、手術実績、医院近況等をご紹介します。

年末のイベントなど

11月中旬、鵬翔高校1年性2名の手術見学がありました。

学年トップを走る、将来が楽しみな女子学生二人です。

人工膝関節全置換術を見学しました。

 

12/4 持田製薬の社内研修会の講師を行いました。

12/7〜11 宮崎医療福祉専門学校から、理学療法士を目指す学生が実習にきました。

        関節鏡手術、骨折手術を見学しました。

12/12 東京女子医大教授 岡崎賢先生をお招きして、後十字靭帯再建術を行いました。

12/28 年内の診療終了。2020年の手術件数は446件(人工関節133件)でした。

TV収録

宮崎のテレビ局であるMRTの企画番組「教えて先生!ひざのお悩み相談室」の収録に行ってきました。

人工膝関節単顆置換術(UKA)について解説しました。

当院で手術を受けた患者さんのVTR、予め診察室で撮ったVTRを交えながら番組収録が進行します。

台本は、一応流れをつかむ程度はあるものの、ゲストからの質問は何がくるか予測不能です。

なんとか撮り直しをすることなく、私の出番は終わりました。

TV番組が作られる現場を、出演者として参加できたことは貴重な経験でした。

そして、タレントの皆さんの脅威のアドリブ力に圧倒されました。

 

2020/11/29(日) 15:00~16:00放送予定です。

後十字靭帯再建術

先日、東京女子医科大学整形外科教授の岡崎賢先生を招いて

後十字靭帯(PCL)再建手術を行いました。

私は、ほとんどの膝の手術を一人で行っていますが、

この手術だけは、一人で行うことは難しいと考えています。

できなくはなくても、手術時間が長くなりすぎると術後の腫れや痛みが強くなり、

患者さんに負担をかけてしまいます。

関節鏡手術を完全にこなせる医師二人がかりで行うことで、安全確実に、短時間で

手術を終えることができます。

岡崎先生は膝関節手術のスペシャリストであり、

学会や勉強会の演者として引っ張りだこです。

手術の前後や合間に、膝関節節手術の最近のトレンドを聞けたり、

ディスカッションすることができ、良い刺激をいただけます。

社内研修会で講演

シオノギ製薬という医薬品メーカーから、社内研修会の講演を依頼されました。

このような講演は、どちらかといえば大学病院の教授や講師、総合病院の部長等が依頼されることが

多いのですが、せっかくの機会ですので演者をさせてもらいました。

久しぶりに、パワーポイントソフトを起動し、スライド作りに励みました。

 

製薬会社のMR(医薬情報担当者)ですので、全くの素人ではなく、

かといって、学会での発表相手ある整形外科医師でもないので、内容や構成は悩みました。

シオノギ製薬が扱っている慢性疼痛治療薬は、現在整形外科領域で活躍しています。

そのため、変形性膝関節症の治療を中心に、疼痛管理の考え方の変遷、術後鎮痛の方法を話すことにしました。

なかなかMRさん達が関わることがない、手術室内での出来事等を交えながら一時間講演しました。

 

ひと昔前の「大きな手術後だから痛いのは仕方がない。我慢しなさい」という考えから、

「術後に患者を痛みで苦しませるのは罪である」と、この20年ぐらいで大きく変わりました。

当院では、両膝同時の人工関節手術(もし術後疼痛ランキングがあればトップクラスの手術)でも

痛み0を目指して術後疼痛管理を行っています。

 

医師でも、一般の人でもない相手の講演という、なかなかない経験でした。

 

 

 

 

3週連続の両人工膝関節全置換術(TKA)

両膝とも悪い方の人工膝関節置換術は、体力的に問題なければ

同時手術を勧めています。

7月の土曜日午後は、3週連続の両膝同時TKA(全置換術)でした。

一週目の60代女性です。

高度な変形があります。軟骨が消失しO脚となっています。年齢、変形の程度等からTKAを選択しました。

術後のX線です。形が綺麗になっています。

術後の経過は良好で4週で退院されました。

2週目も、60代女性です。

同様に高度な変形があります。

術後のXPは、同じく綺麗な形となりました。

3週目は70台女性です。

私がクリニックに戻ってきた8年前の時点で、既に「超」がつく高度な変形でした。

右膝は(向かって左)、脛骨(すねの骨)の内側が変形しすぎて骨が一部分離しています。

歩行時に高度なスラスト(体重がかかった瞬間膝が外にぶれる)があります。

当時、手術について説明しましたが、平気だからと希望されませんでした。

人工関節の手術面談のときに必ず私が話すことがあります。

「自分自身が、もう手術するしかないと思ったときが一番のタイミングです。」

X線では「よく歩けるな・・」と思うほどの変形でも、本人が平気ならそれで良いと思います。

痛いから手術を受けるのであって、変形しているから手術をするわけではありません。

しかし、選択肢として手術があることを知らないと選ぶことができませんので、

これほどの変形があれば、必ず手術の説明をします。

その後外来で温熱療法、湿布等を処方する日々が8年間続きました。

最近は、会うたびに痛みの訴えが強くなっていましたが、遂に覚悟を決められました。

脛骨内側の骨が欠けており、安定性を高めるために、脛骨にロッド付の

人工関節を挿入しました。

両足とも形が良くなったことがわかると思います。

もちろん、歩容も各段に良くなっています。

 

3週連続両TKA後、2週連続で両UKA(部分置換)が続きました。

両膝同時は、片膝ずつより、術後2週ぐらいまでは大変です。

しかし、退院時に「片方ずつやっておけば良かった」と言われた方は

ほとんど(覚えている限り一人も)いません。

欠点は、私が少々疲れるぐらいです。

高度な変形性股関節症に対するALSTHA

60代男性のALS-THA(前側方進入-人工股関節全置換術)を行いました。

15年前に骨頭壊死症という難病になり、痛みに耐えながら仕事を続けられていました。

X線検査では、高度な変形となっており、骨頭が変形した骨盤の骨に包まれています。

当然股関節はほとんど動きません。

ALSTHAは、どんなに高度な変形でも10cm程度の皮膚切開で筋肉の狭い間から入っていきます。

皮膚切開を広げて、筋肉を一部切り離すことにより広い視野が得られる通常の後方進入と大きく違います。

これほどの高度変形の股関節の場合、ALSで関節に到達しても、「ここはどこ?」状態から始まります。

約15年と年期の入った壮年男性の堅く変形した骨と格闘すること2時間半。

余計な骨を除去し、綺麗に設置することができました。

後方進入とくらべて手間はかかりますが、極めて脱臼しにくい安心感はかけがえのないものです。

 

30代男性 有痛性外脛骨手術

足の内くるぶしの斜め下前方あたりに張り出した場所があります。

 

この部分は後脛骨筋という筋肉の付着部であるため、強い力がかかります。

この部分に痛みがあり難治性の場合、過剰な骨である外脛骨がある場合があります。

 

外脛骨自体に害はなく、15%ほどの人にみられます。

しかし捻挫やスポーツで不安定性が生じ、痛みが出ることがあります。

小児の場合、成長とともに治癒することがほとんどですが、

成人の難治性疼痛に対しては手術が選択されることがあります。

手術は外脛骨の骨片摘出です。

今回紹介するのは、30代男性です。

難治性の疼痛に対し手術を希望されました。

赤で囲まれた部分が外脛骨です。

手術時間は付着する靭帯との関係で変わりますが、30~40分程度で終了します。

右足の手術後です。

赤で囲まれていた部分の外脛骨がなくなっています。

さらに舟状骨の張り出しも少し削っています。

 

有痛性外脛骨障害の方は、かなり多いのですが、

保存治療(湿布、物理療法、理学療法)で軽快することが多く、手術を受ける方は少数です。

 

手術は低侵襲な割りに除痛の確実性は高いので、なかなか治らない方にはお勧めです。

しかし靭帯付着部であるため、全力で走るようなスポーツ復帰には3~4カ月必要です。

HP「ひざの痛みと治療方法」に登録されました

「ひざの痛みと治療方法」というホームページに https://hiza-itami.jp/

骨切り術(HTO)の相談と手術を受けられる施設として登録されました。

宮崎県では2施設で、宮崎市内では当院のみとなっています。

登録には、高い技術と一定の手術実績が必要となり、

先日登録完了の連絡があり、大変光栄なことだと思っています。

骨切り術以外の情報も詳しく載っているので、膝の痛みで悩んでいる方には、

有意義なホームページです。

2019年手術実績

2019/1/1~12/31までの手術実績をまとめました。

 

全手術件数 423

全身麻酔手術 321

局所麻酔手術 102

 

全身麻酔手術内容

人工関節置換術(膝・股) 109

膝関節鏡手術 112

高位脛骨骨切り術(O脚矯正) 18

骨折手術 41件

その他 41件

 

局所麻酔手術内容

腱鞘切開 63

手根管開放術 12件

軟部腫瘍摘出術 11件

その他 18件

 

両膝、両手同時手術、複数部位同時手術(足と手の骨折など)は2件で計算しています。

保険点数上は2件でも、同一術野の手術(手首の橈骨・尺骨骨折同時手術、腱鞘切開同側2本以上、膝関節鏡と高位脛骨骨切り術同時手術など)は1件で計算しています。例えば上の一覧では膝関節鏡手術は112件としていますが、高位脛骨骨切り術(18件)でも関節鏡での処置を同時に行うので、実際の関節鏡手術件数は112+18=130件となります。しかし、これを2件にわけるとわかりにくくなるのと、実態からかけ離れていくので、この場合高位脛骨骨切り術を(主)としてカウント、関節鏡は(従)としてノーカウントにしています。

手術部位では、膝(人工膝関節全置換・単顆置換・膝関節鏡・高位脛骨骨切り術・骨切り後の抜釘など)が

225と最多でした。

 

前十字靭帯再建+高位脛骨骨切り同時手術

高位脛骨骨切り術(HTO)は、若年で活動性が高い変形性膝関節症に主に行われる手術です。

しかし、膝前十字靭帯(ACL)という前後・回旋制動の役割を果たす靭帯が機能していることが絶対条件となります。

ACLは、スポーツ選手(バレー、バスケットボール、サッカー等)がよく切ってしまう靭帯です。

ACL断裂を放置すると、将来ほぼ確実に変形性膝関節症になるので、

現在では、40~60歳でも再建が当たり前となっています。

しかし、10~20年前より以前は、スポーツをしない、主婦、中高年だからと

保存治療(手術をせずにリハビリや装具)も間違いではないとされていました。

 

 

 

今回紹介するのは50代の女性で、中学生のころにACL断裂が生じています。

その後約40年経過して、高度な変形性膝関節症となりました。

右膝内側の軟骨が消失して、関節面が不正となり、さらにO脚に変形しています。

通常であれば人工関節の適応ですが、活動性が高く、HTOを希望されました。

しかしACLが断裂しているため、HTOと同時にACL再建も行う必要があります。

 

 

 

 

 

 

関節鏡画像です。

右膝内側の軟骨が消失しています(上)。

対してHTOで体重がシフトされる外側の軟骨は全く正常です(中)。

ACLは完全に消失しています(下)。

(下)画面の左上から右下にかけてあるべきACLは遺残組織のみとなっています。

 

まずはACLを再建します。

V0020動画です。

この後にHTOを行います。

HTOのスクリューと再建靭帯の走行が重ならないように、

微調整が必要となり難易度の高い手術となります。

並べてみると、膝の形が良くなっていることがわかります。