72歳女性 重症骨粗鬆症・高度骨破壊症例に対する人工膝関節全置換術
人工膝関節全置換術は、骨密度が良好で足のバランスが良い方は関節表面のみ置換しますので、
大腿骨(太ももの骨)や脛骨(すねの骨)の深い部分までは操作することは、通常ありません。
(↑骨密度に問題がなく、バランスは軽度のO脚だが許容範囲の症例)
しかし、重症の骨粗鬆症で、さらに関節破壊が進み、バランスが極端に悪い場合は
表面置換だけでは、後日破綻する可能性があります。
今回紹介する女性は72歳です。
若年成人比(20〜30代の女性の平均値の比較)で腰椎47%と高度な骨粗鬆症を認めます。
通常69%以下が骨粗鬆症の定義ですので、そこからさらに20%以上低い数値です。
またそれに伴い、関節も破壊され極端なO脚となっています。
右の脛骨(すねの骨)の内側は、高度に破壊されており、重症の骨粗鬆症でもあるため通常の
表面置換では対応できません。そのため脛骨側の人工関節に延長ステムというもの取り付けます。
70mmの延長ステムを追加することにより、脛骨側の支持力が大きく高まります。
地面に杭を打つときに、10cm杭を打ち込むのと、30cm杭を打ち込むので、
どちらが引き抜きや横からのストレスに強いか考えればわかりやすいと思います。
術後は、骨粗鬆症治療を行うことで、今後のゆるみを予防していきます。


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