岡本整形外科 院長診療ブログ

当院での手術症例、手術実績、医院近況等をご紹介します。

30代男性 膝関節鏡による自家軟骨移植術

 

30代の男性。

7年前に左膝の前十字靭帯断裂に対して他院で再建術を受けています。

その後、全力疾走時に疼痛が出現し当院受診。

初診時の所見から前十字靭帯再断裂を疑いMRIを施行。

MRIで前十字靭帯の再断裂と大腿骨内側の軟骨損傷を認めました。

 

関節鏡では下の写真のように、体重がかかる大腿骨の内側に軟骨欠損を認めます。

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前回手術後の靭帯安定性が良くなかったのか、外傷によるものかはっきりしませんが、

広範囲の軟骨欠損にたいしては、膝関節の別の部位から軟骨を移植する方法があります。

 

まずは、大腿骨の荷重がかかりにくい部分から、骨軟骨柱(軟骨・軟骨下骨、海綿骨)を筒状に採取します。

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その後、移植する部位に、同じサイズの筒状の穴を掘ります。

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そして、採取した骨軟骨柱を移植します。移植する骨軟骨柱を複数使用すれば広範囲の軟骨欠損に対応できます。

この症例は、1本の太めの骨軟骨柱で十分に欠損部分を補填できました。同時に前十字靭帯再再建術を行なっています。

全ての軟骨欠損に対応できるわけではなく、外傷や、若年者むけの手術となります。

高齢者の加齢・変形による軟骨欠損に対しては、人工関節や高位脛骨骨切術の適応となります。